「変革せよ!神奈川県」シリーズ第2弾。今回も農業改革について触れます。やはり旗ふりは黒岩県知事にあり!

「変革せよ!神奈川県」シリーズ第2弾。今回も農業改革について触れます。やはり旗ふりは黒岩県知事にあり!

前回に引き続き「変革せよ!神奈川県」シリーズの第2弾をお送りしようと思います。本コラムの目的は、県議や県職員にぬるま湯体質から脱しないと、今後10年で大変なことになるよ!という提言であります。
第1弾をお読みでない方は「神奈川県の農業改革は今やらずにいつやるのか?危機感のない県議・県職員」をご参照ください。
第2弾は前回に引き続き、神奈川県の農業改革について書こうと思います。
前回は県職員に営農指導者を増やし、神奈川県の農業を活性化しないと県の特産品は生まれないし、税収も減少するというお話をさせていただきました。事実、その通りの結果が出ております。
2023年8月8日の東京新聞にこんな記事がありました。「神奈川県内ふるさと納税流出加速。最多707億円 住民サービスしわ寄せ懸念」これは、県民はふるさと納税を使っていますが、県自体の税収は減少していることを意味します。寄付が行われると、その分だけ住民税の控除が発生するので税収は下がります。即ち自治体の財政に悪影響を与える可能性があるのです。
つまり神奈川県の特産品(返礼品)は全国で競り負けていることを意味します。
ふるさと納税はとても人気があり、利用者は年々増え続けています。ネットで簡単に利用できることも人気の秘訣ですが、返礼品人気ランキングを調べてみると、北海道や山形県、宮崎県が強いようです。
神奈川県は小田原市のローストビーフが192位、山北町の国産牛が284位にランクインしています。「三崎のマグロは?」「湘南のしらすは?」とお思いの方も多いでしょう。しかし神奈川県の特産品は全国的にはまったく知名度がありません。
三浦の大根、小田原のひもの、湯河原のみかんや、葉山牛など全国の特産品と比較すると競争力はないのです。私たちは全国のレベルの高さを今一度認識する必要があります。「神奈川県は都会が多いから。やはり地方の方が強いのでは?」とお思いでしょうか。いいえ、そんなことはありません。静岡県、埼玉県、山梨県、千葉県も上位ランクに入っております。
自治体別寄付金額ランキングでは、43位南足柄市、102位鎌倉市、142位箱根町、191位小田原町、212位海老名市と人気度は低いですが、納税利用者ランキングでは神奈川県は2位です。
つまり県民は自県の特産品を選ばず、他県の特産品を選んでいることになります。
これらの結果は、私が前回のコラムで書いた神奈川県は営農(農業、漁業、酪農)に力を入れていないという提言の結果を如実に表しております。これは非常に危機的状況であると言わざるをえません。


神奈川県の農業改革について、私の提言はとてもシンプルです。現在の県職員数は教職員や警察官含めて、約5万人です。教員や警官は大切な人材ですので、そのままに他の県職員のリストラを行い、営農指導員を200人程度増やせば良いのです。
県職員の多くは仕事を勘違いしています。例えば民間企業における会議の目的は「決定」です。しかし県職員の目的は「議事録」です。会議を行うことが彼らの仕事です。身内の会議だけでなく、学識経験者や専門家などを入れた会議でも、「私たちは会議をやりました」という事実づくりが目的で、「結果」を求めているわけではありません。
全員がそうであるとは言いませんが、職員の大半はそうであります。民間企業の場合、従業員が100人いれば、60人は一所懸命働きます。しかし県職員はどうでしょう?大半は上司の顔色を伺っているだけではないでしょうか。だから何も決めないし、改革も進まない、私たちの生活も一向に良くならないのです。
ハッキリ言って県職員は県民の顔などは見ていません。そんな無駄な職員はリストラをして、農業改革を進める営農指導員を200人程度入れる方が何倍も生産性が向上します。
リストラは県職員だけでなく、県議会議員にも必要ではないでしょうか。神奈川県には県議は105人在籍しています。しかし多くの県民はそのうちの1人か2人程度しか知りませんし、県議がどのような仕事をして、どんな貢献をしているのか知りません。県議の年間費用をご存知ですか?
議員1人の報酬は月97万円、政務活動費に53万円かかります。年間にすると県議全員分で約19億円も支払っているのです。これは100%私たちの血税であります。
何をしているのか分からない、県への貢献度も低い県議を半分程度までリストラし、予算を営農にまわすだけで、どれだけ農産物の品質が向上することか、どれだけの専業農家が潤うことか。


全国の専業農家の平均年収は433万円です。神奈川県は農水省の調査によると125万円だそうです。会社員の平均年収が443万円の時代に、誰が専業農家を志そうと思いますか?一方、北海道、千葉、宮崎、などは700万や1000万円を超える専業農家も存在します。これは農家の努力と営農指導をしっかりと行っている結果であると言えます。
逆に言えば、神奈川県は農家を育てようとはしていないと言えます。
神奈川県の農業を活性化すべき理由は他にもあります。県の食料自給率をご存じですか?たったの2%です。全国では45番目に低く、やはり人口密集地では仕方がない側面はありますが、全国平均の37%までは近づける努力が必要です。
台風や地震などの災害に見舞われた場合や、ロシアとウクライナのような国際紛争が勃発した場合、国外からの輸入航路に問題が生じます。地球環境の変動が激しく、複雑化された国際社会の中では何が起こるのか誰も予測がつきません。
食料供給がストップしたら、県はどう対応するのでしょうか。近隣の都県も食料自給率が高いとは言えませんので、頼ることは難しいでしょう。自給率が2%では多くの県民は早晩飢えることは火を見るより明らかです。
だからこそ、県民の生命を守るために農業を活性化させ、食料自給率を向上させるべきだと考えます。


農業改革においては悲観することばかりではありません。他県の千葉県では、船橋産の小松菜のブランド化や6次産業化が進められているというニュースもあります。地域の仲間同士でコラボレーションし「小松菜パウダー」をつくり、それを料理やお酒などに使う飲食店に販売しています。
県内でも小田原では「おひるねみかんプロジェクト」と称し、箱根などの宿泊施設にみかんジュースを販売したり、ソーラーシェアリングを活用して作ったお米を地元の酒造会社へ販売しています。
これらは自治体が頼りにならないため、自主的に行っているのかもしれません。全体から見れば小さな活動かもしれません。しかし着実に結果を残し、農業の活性化に一躍買っています。しかし本来なら自治体が果たすべく役割ではないでしょうか。この事例のように地場を活性化するだけでなく、日本農産物は品質も高いため、海外市場もターゲットにできます。自治体が中心となって、農業改革を大規模化することで更に活性化し、農家の暮らしも潤うものと思います。


では神奈川県の農業改革において、誰がもっとも変わらなければならないのか?それは黒岩県知事と言えるでしょう。未病(ME-BYO)対策も大事です。神奈川憲章の啓蒙も大事です。しかしそれで県民が飯を食べていかれますか?
県知事は政治家ではありません。自治体の長であり代表する執行機関です。政治活動は控えるべきで、財界のお偉方に会うのではなく県民の方に目を向けるべきです。県民の生活にくまなく目を向けることで、「これは改革すべきだ」「改善が必要だ」という発想が生まれるはずです。農家からの税収が少ないことにも気がつくはずです。
黒岩県知事はもう4期目ですので、過去12年間その事実に気づかなかったはずはありません。他の税収が多いから、目を向けなかったのならば、これから先10年痛い目を見るのは明らかです。
そうならないためにも黒岩知事、今からでも遅くはありません。神奈川県の農業改革の号令をかけていただけませんか。「農業改革をやる!」と。県内の専業農家、兼業農家はその一声を待っていると思いますし、県職員も積極的に動き出すでしょう。
農家の生活に潤いを与えるため、国内外に誇れる農産物を生産するため、そして県の自給自足率を向上させ、県民の生活を守るため農業改革は必要なのです。
最後までご拝読ありがとうございました。ぜひあなたのご意見などをお聞かせください。

次回は県内の福祉・介護の改革について書きたいと思います。