県の職員はビジネス感覚を持ってもらいたいという話

県の職員はビジネス感覚を持ってもらいたいという話

このブログを読まれている読者の方々は、神奈川県の職員が何人いるかをご存知ですか。
警官や教職員などを除くと、約36,000人もいます。警官や教職員を含めると約5万になります。
人件費(手取りだけではなく保険や経費等含め)は1人あたり約1,500万円で計算すると、年間約7,500億円かかっています。人件費だけですよ。
このコスト、当然ながら私たちの血税で賄われています。冗談じゃないですよ!私たち民間はお金を生むために働いている。でも役人は使うために働いています。
「私たちはあなた方の給料を支払うために汗水流して働いている訳ではありません!」と言いたい訳です。
役人に対して商売してください、稼いでくださいとは言いません。しかし少なくとも、費用対効果というビジネス感覚を持ってほしいものです。
県には政令指定都市が3つもある。しかし県の職員数が減っていないのはおかしいですよね?
私は県の一部の仕事を30市町村に移行すれば県の職員は10,000人程度減らせると考えており、
これにより県の仕事には弊害がでないと思っています。これが実行できれば平坦な土地が多く災害等が起こりにくい東海道沿線の市町村に協力をするのではなく、逆に山が多く町づくりが遅れている小田急線沿線の市町村に、県の職員を10,000人減らした人件費を分配する必要があると考えます。
約1,500万円/1人×10,000人で1,500憶円があれば、今後の自然災害、気候変動対策に大いに役立つと確信しております。
暮れから3月にかけて、道路等いろいろな場所を掘り起こしていますよね。なんで予算を年度内に使いきらないといけないのですか? もっと他の事で有効活用をすべきではないでしょうか?
県は市町村にどんな指導をしているのか?ただ単に条例を市町村に押し付けているだけでは?
いつまで古い慣習を背負っているのか?時代はもう令和です。税収と雇用を増やすには、活きたまちづくりが大事なのです。

神奈川県には戦後、どこの市町村にも工場がありました。大手企業の大きな工場もたくさんありました。しかし時代は変わって、海外国内(県外)へと多くの工場は撤退して行きました。
これまで固定資産税他を優遇されてきた工場は、工場を売却する時には信託銀行等に入札を委託して一番高い価格をつけた所に売却をしてしまう。
県は何万坪の跡地を売却する事を、指を加えて見ているのでしょうか。なぜ「ちょっと待て。マンションデベロッパーに売るのもいいが、それでは雇用も税収も生まないですよね」と言わないのでしょうか。
せめて事前に工場と県とが話し合いの場を持ち、単純に売るだけではなくその町の為になるよう、まちづくりに一部協力する事をなぜ県の立場で指導しないのかと疑問に思う。戦後からずっと面倒を見てきた市町村は何のメリットもなく、企業を見送るだけ。県はつまらない条例ばかり作らないで、企業に協力してもらえるような条例を作って欲しいものです。
例えば平塚の日産車体の工場跡地に平塚のららぽーとを造り、パートさんだけで約8,000人の雇用を生み、平塚市の人口も横ばいになっているようです。
県条例、市条例は県と市が作っているのだから、もう古い条例を押し付けないでどんどん改善していけばいいのです。
ある調査では住宅ローンの返済ができないで、住民の約40%は引っ越しを余儀なくされているというデータがあります。仮に100件引っ越しする家族がいる場合、その4割はローンが支払えないで出て行きます。
つまり雇用が安定していないのです。特に主婦においてはパートが安定するとどうなるのか?
1日5時間働いて、時給1,000円だとして20日働けば10万円の収入になります。おおよその住宅ローンの返済額は平均約6~7万円なので、奥さんが20日働けばローンの返済が可能になります。
それだけではなく相乗効果で、今までは旦那さんの30万円のお給料からローンを支払っていたが、それを支払わなくなるとその家庭が豊かになる。豊かになるとたまには外食しようとか、旦那さんもお小遣いが増えて、帰りに居酒屋に寄って帰ろうと言う事にもなり、町も潤っていきます。
これが活きた町づくりなのです。ただマンションを建てればいい、物流センターを建てればいいという訳ではないのです。住人の安定した雇用、豊かな生活を生み出さないとならないのです。
県の職員も一所懸命勉強をして、町の事を隅々まで把握しているのであれば納得もしますが、おそらくそこまで町の事を理解している役人は皆無に近いと思います。
「いや、いる」という反対意見もあるかもしれません。ではなぜ地域社会は豊かにならないのですか。

もう令和3年で、昭和の時代ではないのです。民間はAIだDX(デジタル・トランスフォーメーション)だと、どんどん先に行っています。
新型コロナでどのくらい税収が減るか予測できていますか。来年はどうするのですか。しかし役人の中には現状のままでは良くないと思っている人もたくさんいます。
時代に合った県民の為のまちづくりが必要です。もっと効率の良い仕組み作りをと思っている人はたくさんいます。しかし思っているだけで行動は起こしません。
自分の生活の為、出世の為には余計な事を言ってはダメなんですよね。「改革をしよう」なんて言ったら責任を負わされます。失敗したら大きな責任を問われます。
それが怖くて誰も行動を起こせません。では誰が行動を起こせばいいのか?それはトップしかいません。リーダーシップがうまく働いている市町村もあります。
開成町と海老名市は鉄道会社と組んで駅や住宅地開発を行い人口増、税収増に成功しています。
私は平塚出身ですが、戦後柿澤篤太郎という市長がいました。この人が何をしたかと言うと、住民と産業の為の区画整理を徹底してやりました。だから平塚では行き止まりや、急に細くなる道路はほとんどないし、田園や畑も区画整理が出来ていて生活もしやすい。つまり県や市の改革や改善はトップがしっかりとした目的とビジョンを持っていかに実行して行けるかにかかっているのです。