税金の無駄遣い?サウンディング型市場調査は意味あるのか?

税金の無駄遣い?サウンディング型市場調査は意味あるのか?

サウンディング型市場調査とは自治体のプロジェクトを構想段階で、市民や民間企業から市場性の有無やアイディアを求め、事業者がより参加しやすい公募条件の設定を把握する調査の事です。
県や市町村でこのサウンディング型市場調査は急増しています。とても良い仕組みのように見受けられますが、私はこのサウンディング型市場調査にいくつかの疑問を感じているので、今回はその点について書いていこうと思います。

結論から言うと、税金の無駄遣いをしているという事です。例えばある自治体で土地の有効活用プロジェクトがあったとします。自治体は広くサウンディング型市場調査の公募を行います。
そうすると、その地域ではない企業などが、それは素晴らしいアイディアを持ってきます。そこで何回か話し合いが持たれ、結局そのアイディアは採用しません。採用率は10%くらいではないでしょうか。
地域の事を充分に理解していない他所の企業などは、それはおいそしそうな絵に描いた餅を持ってきますよ。しかし現実的ではありません。問題を解決する姿勢なんてないんですから。
このような仕組みは何回やっても無駄で、自治体は形式的に「仕事をやってますよ」と公に言いたいだけなのでしょう。
では誰がプロジェクトの構想を考えればいいのでしょうか?誰が有用な公募条件を考えればいいのでしょうか?それは役所の職員が考えればいいのです。職員は難しい試験をクリアして入所して来ています。市長はその優秀な職員を育成していくべきではないでしょうか。
自分達が住む地域の事は、自分達が一番良く知っているのだから、他所の事業者などにアイディアを求めないで、自分達で知恵を絞るのがまずは先決です。他人に任せず自分達で汗をかかないと地域は良くなりません。
それに地元にだってアイディアやノウハウを持っている企業は沢山います。まずは自分達から、その人達に意見を聞くべきです。絵空事のアイディアを募集するサウンディング型市場調査なんて、何回やっても税金の無駄です。

昭和の時代、時の首相田中角栄氏は日本列島改造論の中で、トンネル造ろう、高速道路を造ろう、港を造ろうとやりました。あれも一種のサウンディング調査のようなものです。
これは国や国民に示すビジョンだからいいのです。しかし国と自治体は全然違います。ビジョンのような絵空事を何度繰り返しても、それで出来上がったものが実現しないのであれば、結局は税金の無駄遣いの何者でもありません。
1回やっても気に入らない、2回、3回と繰り返しても決まらない。それはそうです。利害関係者は勝手な事を言いますから。
例えば東海道線では大船と藤沢の間に、もう1つ駅を造ろうという構想がありますが、この件で鎌倉市は3回もサウンディング調査を行って、本題からずれて全く違う事を話し合っています。
藤沢市も1回行っていますが、なぜ大切な市民の税金を使って別々に行う?と思うわけです。結局URと契約結んだそうですが、では何回も行っているサウンディング型市場調査は何だったのか?その中にURのアイディアはあったんですか?と言いたいです。
あの土地は、約5万3千坪ありJRが持っています。令和32年ごろの開業と聞くけど、JRは今コロナの影響もあり借金を抱えているので無駄な土地は早く売却したい。だから10年も待ってくれるのか疑問です。
また大船、藤沢駅のちょうど真ん中には神戸製鋼の藤沢事業所(大きな敷地の工場)があります。この土地を購入しないと、迂回しないといけないので市民にとっては不便極まりないです。私はその土地を購入するべきだ、それも税金を投入せずに民間でと何度か提言をしていますが、両市は聞く耳を持ちません。
ある県会議員を通じて、しかるべき道で提言していますが、この県会議員は、いつも調子がいい事ばかりを言って、依頼した件については未だに進展しておらず、全く役に立たない事がわかりました。このことについては別の機会で書かせて頂きます。話をもとに戻すと、私は「なんでそんなものに税金を投入しなけれなならないの?民間に任せればいいのに。」と思っています。税金を無駄に使い、市民の利便性などを考えていないからです。

地域の事を真剣に考えるなら、サウンディング型市場調査は他人に任せてはいけないのです。高度成長期は議員は二流、役人は一流などとよく言われていましたね。しかし今はそんな話、耳にした事はありません。
もう時代が違うのです。役人天下の時代なんてとっくに終わっている。役所内では未だに「期内の予算は使い切る」「予算を沢山使う人が優秀」という古い考え方があるのではないでしょうか。
役人もビジネス感覚を磨いてほしいと思います。もう「使う」時代ではなく、役人だって「稼ぐ」発想を身に着けなくては。こういうと「公共のためにやってるので稼ぐなんてもっての他」と怒る人がいるけど、私からしたら何がいけないの?と思うわけです。
チャンスなんて沢山あるのだから、収入源を積極的に獲得するべきです。市が収入源になるか、地元の人間が収入源になるか、地元が収入源になれば確実に市に跳ね返って来るのですから。
しっかりと活きた街づくりをすれば、地域は潤います。固定資産税や法人税、住民税、雇用が増え色々な見返りがあります。こういう発想であれば、サウンディング型市場調査なんて聞こえはいいけど、収入源のアイディアを他人任せにするのはおかしな発想ですよね。
そんな見た目がスマートな事を市民にアピールしたって意味がない。役人の方々はみな優秀なのだから、管理職は部下任せにせず一緒に汗をかきましょう。何の為に難しい試験を突破してきたの?高いお給料もらっているの?と思うわけです。
一部の県、市会議員のレベルが下がっているので、役人達には昭和や平成の考え方から脱皮して、令和型の「自分達で考える」時代がきた事を自覚して、変わっていって頂きたいと願っております。