地域経済の活性化に県はもっと市町村に権威委譲せよ!
一般社団法人税金を使わないまちづくりの会の事務局長です。
ホームページを開設した事を機にこの会の趣旨である、市民の大切な税金をもっと生産的に使って欲しい、もっと民間に任せるべきと言う趣旨から、私なりの見解をブログで申し述べていく予定です。
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第1回目のテーマは「市町村の都市計画」についてです。
現在の県が担う行政範囲は果たして現状のままで良いのか?
市街化調整区域という言葉をお聞きの方も多いと思います。市街化を抑制する地域のことです。つまりこの市街化調整区域には、住宅や商業施設等を積極的に造ってはいけない地域だという事です。
県は市町村の全ての事までは理解していないのが現実です。十分熟知しているのは市長や町長、村長で常にどうすれば地域が発展するのかを日々模索しているからです。このような実状から都市計画は市や町、村に権利を委譲するべきだと考えます。
そうしないと地域の発展には繋がらないと考えられるからです。都道府県の職員は3年に1度異動がある、本当に市町村の事を理解して、都市計画を指導しているのか疑問です。従来の前例に従って指導している区画整理事業は数多く見かけます。このまま指導に従っていると、神奈川県の北部地域は過疎化が進み老人だけの町になってしまいます。
例えば神奈川県の場合、政令指定都市の横浜市、川崎市、相模原市とその他の31市町村を比較してみると政令指定都市以外の地域の街づくり等はかなり遅れています。それは何故かと言うと政令指定都市は、県を通さずに、直接嘆願書を国に持って行く事が出来るので、条件はある程度つくにせよ、時間をかけずに許可が下りるので早く進みます。しかしその他の市町村は県に申請を出し、それを県が慣例、前例に基づき時間をかけてチェックをするので、許可が下りるのに時間がかかってしまいます。
またスムーズに許可が下りなかった困難な案件でも、下ろす為の良きアドバイスもなく、担当者の知識の中で判断しているだけなのです。
市や町の区画整理の担当者は「県がダメだと言っているからダメなのです」で終わってしまう、とても残念な話が地域自治体では多くあります。
それを変える為には都道府県の都市計画担当者の慣例に基づいた考え方を切り替え新しい発想を導入していく事が大事だと考えます。都市計画は憲法で縛られているわけではなく、法律と条例で出来ているので、それは人間が作ったもので、変えることが出来るのも人間です。このままでは政令指定都市の横浜市、川崎市、相模原市と他の市町村の格差が広がり衰退する一方で、人口の分散も出来なくなります。
県の職員はよくこう言います「市街化調整区域は区画整理をして物流の拠点を設けよう」と。でも今はそんな時代ではないのです。10年前なら1万坪程度の巨大物流センターで500人位の雇用を生みましたが、現在はロボット化が進んでいるので20人~30人程度の雇用しか生み出さないのです。では市街化調整区域を市街化区域に変更して、大きな商業施設等を造ったとしたら数千人の雇用が発生し、何十倍もの税金が増え町も活性化します。
「チャンスなのに何をやっているんだ」という話
こんな話もあります。「国は何兆円もかけて第二東名や圏央道を造っただろう。その地域に出口も造って、そこには6万坪の遊休地がある、そこを活用して街づくりをしたら、経済活性化のチャンスなのに、県の担当者は何もしないじゃないか!!」と。その通りです、でも県が市街化調整区域を市街化区域に変更してくれない限り市町村としては街づくりが出来ないのが現実です。
こうなると国から県、県から市と各々が連携を取り合い風通しを良くする事により、県から市町村に移譲できるような根本的な仕組み作りをする必要があると考えます。
色々と言いたい事は尽きませんが、まとめると本来の機能を果たしていないところは今すぐ改善をして、税金を使うのであれば有効に使ってほしいという事です。
そして地域の活性化を図る為には、各自治体の税収を上げ、地域を一番理解している市町村の人たちに任せる事が一番です。そうしないと10年後は開発が進まず過疎だらけになってしまいます。色々な面で痛みを伴う事になりますが、将来多くの借金を子供たちに背をわせない為にも、今行動を起こす事が私たち大人の使命なのです。
第2回目予告:連載2回目は「新規事業」について取り上げようと思っています。